研究課題/領域番号 |
23520281
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小林 英美 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70277862)
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キーワード | Romantic Women Writers / 書評 / 定期刊行物 / Helen Maria Williams / Charlotte Smith / 予約購読出版形式 / 19世紀英国読者層 |
研究概要 |
研究計画2年目にあたる本年は、引き続き文献研究を続行し、その成果の一部を学会の例会での筆者が企画したシンポジウムで披露した。まず文献研究のついては、初年度に入手したRomantic Women Writers Reviewed(Pickering, 2011)を利用した調査を続行した。前掲書には想定以上に多くの有益な資料が収録されており、当初計画において国外での収集を予定していた資料もそこに多く含まれていた。また2013年には遅延していた第2期分が刊行されるので、海外で収集することを計画していた資料が、そこにさらに収録されることになろう。文献調査に関しては、このような状況の変化があったため、より効率のよい資料収集を行なうべく、収集すべき資料と収集先の再検討が必要になり、渡航計画全体の見直しをせざるをえなくなった。そのため、海外渡航による資料収集は、次年度に行なうことにし、予定していたスコットランド系詩人についても、これと連動して次年度に行なうことにした。また同時代の文壇状況と読者の嗜好を研究するため、Samuel Rogers等に関する書を研究した。 上記の再検討と並行して、本年度はCharlotte SmithとHelen Maria Williamsの作品についての書評を抽出して分析した。その成果の一部は、筆者が立案し、司会・発題者となった欧米言語文化学会第126回例会でのミニ・シンポジウム「拡大する読者と英米文学」(於日本大学)で発表した。このミニ・シンポジウムは2年前の同学会年次大会でのシンポジウムの続編という位置づけである。そこでの筆者自身の口頭発表は、「C.スミス: 支援者を通して拡大・増加する読者」であり、Smithが予約購読形式で出版した詩集に対する定期刊行物における書評の分析の結果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画立案当初には未知であった資料Romantic Women Writers Reviewed(2011)の登場と第2回刊行分の遅延により、海外での資料収集計画の変更や調査対象・訪問先の見直し等を余儀なくされたが、順序の変更で対応できたので、総合的に見れば遅延にあたらないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
まず本年度に見送った海外での資料収集をできるだけ早期に行ない、文献調査の成果を研究発表に活用できるようにまとめる。そして資料収集の成果を基盤にして、未着手の予約購読出版を利用した詩人やスコットランド系詩人らに対する書評の研究発表等を行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
①Romantic Women Writers Reviewed(Pickering)の第2回刊行分購入費。そのほか当該研究に関連する重要文献を購入する。 ②海外図書館等での資料収集のための渡航・滞在費用。 ③国内の研究会等での研究発表のための旅費。
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