作品出版時の読者層に注目した若手研究(B)と基盤研究(C)を発展・継続したもので、今回は先行研究とは逆に出版後の書評に焦点をあてた。初年度は、特に労働者階級女性詩人Handsの研究を行い、その支援者たちの影が書評にも認められることを発表した。2年度目はCharlotte Smithの詩集への書評と支援者の関係を、主催したシンポジウム「拡大する読者と英米文学」で明らかにした。最終年度はAnne Grantの文学史上の意義を書評の分析を通して究明した。この研究でロマン派時代の詩人と予約購読者と定期刊行物の書評者の知られざる関係、――文学的潜在能力を育むコミュニティ――を明らかにできた。
|