研究課題/領域番号 |
23520289
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久保 拓也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80303246)
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キーワード | アメリカ文学 / 男性学 / マーク・トウェイン研究 / 障害学 |
研究概要 |
平成25年度は当初の予定では研究最終年度となる予定であった。本研究は、『ジェンダー学」および「障害学」が呈示する視点が、文化表象解釈の方法として援用範囲の広いことに根拠を置き、アメリカを代表する作家であるマーク・トウェインの作品に対し、これらの視点からの解釈を行った。 今年度の研究実績は、海外における2度の研究発表と、一本の英語論文となる。一つ目は、米国ニューヨーク州エルマイラのエルマイラ大学で開催された、The 7th International Conference on the State of Mark Twain Studiesでの研究発表であった。この発表では、トウェインが作家としてのキャリアを開始して間もない時期に発表した短編小説を取り上げ、その中に表されている身体の描写の分析を前述の視点から行った。それにより、彼が作家としての人生を通して用いてきた手法やテーマがすでに最初期の作品において現れていることなどを明らかにすることができた。また、今年度二つ目の海外研究発表であった米国カリフォルニア州バークレーで開催されたThe 48th Annual Conference of the Western Literature Association においては、トウェインの未発表原稿への注目し、「逸脱者」および、「奇形の男性像」が彼の草稿の中で重要な役割を話しているか、を理論的にはもちろん、テクストからの証拠に基づき説明する試みを行った。これらのうち後者の論考については英語論文として学術雑誌に掲載される予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本補助金による研究は3年間という期間を想定していたが、現在の達成度は若干の遅れを認めなければならない。これは、研究代表者の留学により予算の執行が当初の予定通りに行われなかったことが判断の原因の一つとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究費補助期間の延長が認められたことを利用し、早急に海外での研究発表、あるいはさらなる必要資料の収集など、当初の計画に従って研究を推進させる。何より、海外の学術雑誌への論文投稿を早急に行い、成果をより確実な形で発信したいと思っている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本科研費により補助を受けている研究の成果を発表するため、あるいは、論文による発表のための資料を充実させるために、期間中にもう一度渡米し、国際学会への参加や資料収集を行うことを想定していた。だが研究計画の遅れにより、平成25年度に行えず、未使用額が生じてしまった。 米国での国際学会への参加、あるいは、米国で資料収集のための旅費(海外航空券購入代金)として活用する予定である。
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