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2012 年度 実施状況報告書

エズラ・パウンドの経済論と創作原理――「利子」と「抽象」

研究課題

研究課題/領域番号 23520295
研究機関名古屋大学

研究代表者

長畑 明利  名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (90208041)

キーワードパウンド / 社会信用論 / 抽象 / ファシズム
研究概要

本研究は、1930年代にファシズムへの関与を深めたアメリカ出身のモダニスト詩人 Ezra Pound の詩と詩論を対象とし、そこに見出されるパウンドの経済論と創作スタイルの関係、とりわけ、彼の「利子」批判と「反抽象」の関係性を明らかにすることを目指すものである。
平成24年度には、平成23年度から継続して、パウンドの経済学関連評論の分析を行うとともに、彼の詩作品 The Cantos における「利子」批判と彼の「反抽象」の姿勢との関連について検討した。その結果、両者の関連を認めることはできたが、彼の儒教への関心との関連については、さらなる調査・検討が必要である。これを平成25年度に継続して行う計画である。
なお、平成24年度中に国際学会にて研究成果の一部を発表する計画であったが、これを行うことはできなかった。平成25年度に発表を行う計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

パウンドの経済学的関心の発展に関する文献調査を進めることはできたが、当該年度に計画していた国際学会での研究発表、草稿調査および経済学の専門家からの意見聴取を実施することができなかったため。これらについては、平成25年度に実施する計画である。

今後の研究の推進方策

平成25年度には、当初の計画通り、パウンドの経済学的関心の発展に関する文献調査を継続して行うとともに、彼の経済学的関心と詩論との関連についての調査・検討を進め、調査・検討によって得られた知見を整理する。また、平成24年度に実施できなかった草稿調査および経済学の専門家からの意見聴取を実施し、平成24年度に計画していた研究成果報告を、当初計画していた別の研究成果報告に加えて実施する計画である。

次年度の研究費の使用計画

文献調査を補完するために実施する計画であった草稿調査、および、国際学会での成果報告を実施できなかったため、旅費の支出が当初計画を下回った。これらは平成25年度に実施する計画である。(国際学会での成果報告は、当初計画において平成25年度に実施する予定のものに加えて実施する計画である。)また、経済学の専門家による意見調査を実施できなかったため、人件費の支出が当初計画を下回った。意見聴取は平成25年度に実施する計画である。物品費に関しては、古書価格に変動があったために購入を見送った図書があり、支出が当初計画していた額を下回った。平成25年度早期に価格を見極めて購入する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 階級腹話術――女性の手紙、講演、叙情詩2013

    • 著者名/発表者名
      長畑明利(翻訳)[Paula Rabinowitz 著]
    • 雑誌名

      名古屋アメリカ文学・文化

      巻: 2 ページ: 1-25

  • [雑誌論文] 自己を書くこと、みんなを(と)書くこと――ガートルード・スタインの『みんなの自伝』2012

    • 著者名/発表者名
      長畑明利
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン 研究と批評

      巻: 11 ページ: 49-58

  • [学会発表] パウンドと『新しき土』――The Japan Times 寄稿記事に見るノスタルジアと日中関係

    • 著者名/発表者名
      長畑明利
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会中部支部例会
    • 発表場所
      中京大学
  • [学会発表] アジア系アメリカ詩人による言語実験とアイデンティティ――テレサ・ハッキョン・チャとミュンミ・キムを中心に

    • 著者名/発表者名
      長畑明利
    • 学会等名
      成城大学「文化表象のグローカル・プロジェクト」第4回研究会
    • 発表場所
      成城大学

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公開日: 2014-07-24  

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