• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

英語教育材料としての英文学の可能性を探る研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520305
研究機関広島大学

研究代表者

小野 章  広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20283228)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード英文学 / 英語教育 / 教材 / 教科専門科目
研究概要

本研究の主たる目的は,日本の中等英語教育における英文学の在り方を,教材本文と発問に焦点を当てながら探ることである。そのために,主に次の3つの手順に従って研究を進めている。(1)高等学校英語教科書を本文と発問の面から分析する。(2)英文学を英語教育に活用するための理論を構築する。(3)英語教材として利用可能な英文学作品を発掘し,実際の教材として開発する。これらのうち,平成23年度中に明らかになったことをまとめる。(1)については,平成21~22年度に発行された高等学校外国語科用英語リーディング教科書のうち,採択率上位5冊(これら5冊の市場占有率は39.5%)に絞って分析を行った。結果,教科書本文には説明文が占める割合が高く,文学的と呼べる文章が少ないことが判明した。発問に関しては,字義理解を目的としたものがほとんどであることがわかった。(2)については,読みにおける発問の役割に着目しつつ,第二言語習得の理論を援用しながら文学的読みを促す発問の在り方を探った。結果,字義理解を目的とした発問に加えて,行間の意味を推測させる発問や,解釈を読み手に迫る発問も必要であることが判明した。(3)については,これまでにも英語教科書に掲載されたことがあるアーネスト・ヘミングウェイの短編 "A Day’s Wait" とルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を題材に,中等教育現場を想定した本文と発問の在り方を提示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の直接の対象である中等英語教育に関しては,「(2)おおむね順調に進展している」と言える。にもかかわらず,「(1)当初の計画以上に進展している」としたのは,当初の研究計画を超えて,大学における教科専門科目の在り方をも研究対象に加えつつあるからである(拙論「到達目標型教育プログラム導入による教科専門科目の変革―英語文学関連科目の場合―」(2012)参照)。

今後の研究の推進方策

理論研究と教材開発を進めて行きたい。理論研究としては,リーディング能力全般を既定した上で,その能力のうちどの下位項目が文学教材に適しているかを明確にする必要がある。教材開発としては,中等英語教科書にこれまで掲載されたことはないが,英語教材として活用され得る英文学作品を発掘するつもりである。

次年度の研究費の使用計画

主に日本国内で開催される学会での発表や,学会への出席のために使用したい。例えば,平成24年10月27・28日に高知大学で開催される日本英文学会中国四国支部第65回大会ではシンポジストとして研究発表を行うことになっている。他にも,英語教育関連学会や教科教育関連学会での研究発表や学会出席を予定している。

研究成果

(4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] 英語文学を教材として読むための発問―Hemingway作 "A Day’s Wait" を用いて―2012

    • 著者名/発表者名
      小野 章
    • 雑誌名

      広島外国語教育研究

      巻: No.15 ページ: 197-211

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『鏡の国のアリス』を用いた英語教材の開発2012

    • 著者名/発表者名
      小野 章
    • 雑誌名

      学校教育実践学研究

      巻: 第18巻 ページ: 99-104

  • [雑誌論文] 到達目標型教育プログラム導入による教科専門科目の変革―英語文学関連科目の場合―2012

    • 著者名/発表者名
      小野 章
    • 雑誌名

      日本教育大学協会研究年報

      巻: 第30集 ページ: 15-25

    • 査読あり
  • [学会発表] 到達目標型教育プログラム導入による教科専門科目の変容―英文学関連科目の場合―2011

    • 著者名/発表者名
      小野 章
    • 学会等名
      日本英文学会中国四国支部第64回大会(招待講演)
    • 発表場所
      島根大学松江キャンパス
    • 年月日
      2011年10月29日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi