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2012 年度 実施状況報告書

イギリス国民意識形成に果たすイギリス文学の公共的性質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520311
研究機関大分大学

研究代表者

園井 千音  大分大学, 工学部, 准教授 (70295286)

研究分担者 園井 英秀  九州大学, 人文科学研究科(研究院), 名誉教授 (00069709)
キーワード英文学 / 西洋思想史 / 宗教 / 哲学 / 西洋史
研究概要

本年度は18世紀後半から20世紀までのイギリス文学における公共的性質と国民意識形成との歴史的思想的関連を検証するため、次の①及び②の課題中心の分析を行った。
①イギリス文学の文学的主題と社会的政治的思想及び国民意識形勢との関連を検証し、18世紀後半~19世紀半ばまでのイギリス文学の性質について下記(イ)~(ロ)についての分析を行った。(イ)及び(ロ)に関する思想的分析については研究分担者園井英秀九州大学名誉教授、ド・モンフォール大学ティム・フルフォード教授との研究協力により行った。(イ)サウジー、ジョン・スチュアート・ミル等の記述におけるイギリス社会の社会的思想的検証と及びイギリス国民意識との関連を検証。(ロ)マシュー・アーノルド、トマス・カーライルを中心としたイギリス文化批評の思想的分析とイギリス国民意識の再構築の主題を検証。(ハ)(イ)及び(ロ)の検証結果と前年度までの研究結果を検討し、18世紀後半~19世紀イギリス文学と文化的思想の特質についてまとめた。特に思想的背景についての分析は次年度も継続して行う。
②19世紀後半から20世紀イギリス文学における文化的主題とコモンセンスの性質を次の(イ)~(ハ)を中心に分析した。なお、この本課題については次年度も継続し分析予定。本課題のモダニズム関連に関する分析は研究分担者園井英秀九州大学名誉教授との研究協力により行う。(イ)フランシス・ベーコンからシャフツベリーに至るイギリス思想形成の再検討。(ロ)20世紀初頭ジョージ王朝詩から戦争し文学の再検討、及びモダニズムと反モダニズムとの角逐とイギリス文学におけるコモンセンスの復活の関連を検証する。
①及び②に関する資料収集及び分析のため、大英図書館、ノッティンガム大学図書館、セント・アンドリューズ大学図書館において検証を行った。研究成果の一部を国際学会において発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね研究計画通りに進んでいる。今年度は18世紀後半から20世紀までのイギリス文学における文学的主題とその公共的性質との関連について分析した。その結果、イギリス文学の文学的主題における国民意識と国家の関連に対する概念形成が19世紀初頭にかけてより明確に形成されたことが証明された。これが20世紀文学においてさらに発展、複雑化し、公共的なイギリス文化概念として確立されたことを検証分析の過程である。これは研究最終年度である次年度においてイギリス文学の公共的性質の形成過程とその再評価について文化的、宗教的コンテクストとの関連において総合的に分析予定である。

今後の研究の推進方策

研究計画通り進める。次年度は今年度の研究結果をふまえ、(1)19世紀から20世紀までのイギリス文学の公共的性質と国民意識形成との関連において思想的分析をし、(2)20世紀前半より1960~70年代イギリス文学における宗教的主題の分析を行う。また研究最終年度なので、(3)これまでの研究成果のまとめを行い、17世紀から20世紀までのイギリス文学の文学的主題と公共的性質についての総合的検証を行う。今年度の18世紀から19世紀文学における思想的コンテクストの資料分析過程において、次年度におけるより詳細かつ体系的な思想的宗教的資料収集及び分析の必要性が生じたため、次年度における19世紀以降の思想的資料の拡充及び分析、整理、関連分野の学会に出席するための研究費(旅費、物品費、謝金、その他)の繰越が必要となった。17世紀から20世紀までのイギリス文学における思想的宗教的資料分析はイギリス文学の公共的性質に関する総合的分析である。

次年度の研究費の使用計画

研究計画通り進める。次年度は研究最終年度のため、これまでの研究結果の整理と特に思想的宗教的資料収集拡充と分析のために必要な研究費(旅費、物品費、謝金、その他)を繰り越す。次年度は17世紀から20世紀までのイギリス文学の公共的性質と国家意識形成との関連について総合的検証を研究計画通り行い、国内外における資料収集分析及び本領域を対象とする学会発表も予定する。その為の研究費(旅費、物品費、謝金、その他)も研究計画通り実行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] The Rise of the British National Identity in the Writings of Southey from 1800s to 1820s2013

    • 著者名/発表者名
      Chine Sonoi
    • 学会等名
      Robert Southey and Romanticism: The Lake School in Context
    • 発表場所
      Keswick, U.K.
    • 年月日
      20130729-20130731
  • [学会発表] Romantic Britons: National Identity in the Writings of Coleridge and Southey2012

    • 著者名/発表者名
      Chine Sonoi
    • 学会等名
      A multidisciplinary conference on Emblems of Nationhood:Britishness 1707-1901
    • 発表場所
      University of St. Andrews, U.K.
    • 年月日
      20120810-20120812

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公開日: 2014-07-24  

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