研究課題/領域番号 |
23520312
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 研究員 (80123488)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | George Chapman / Thomas Harriot / Biordano Bruno / コスモロジー / アトミズム / インフィニティ |
研究概要 |
前年度までの、Thomas Harriot研究に続き、Harriotが一員であった、Henry Percyサークルのうち、George Chapmanの詩を中心に研究した。その成果の一端を、十七世紀英文学会関西支部例会で発表した。 Oxford大学で行われたThomas Harriot Lectureに参加して議論するなど、 Thomas Harriot Seminarを中心として、London大学やOxford大学の研究者と研究交流を重ねた。 京都大学科学史講座の研究者の許、William GilbertからIsaac Newtonにいたるイギリス天文学、宇宙論史に関して研究を開始した。 東京の研究者2名とGiordano Bruno研究会を立ち上げ、月一度の研究会を展開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
天文学に関しては、予定通り、Thomas Diggesの著を詳細に読み解く作業を続けている。改めてPlatoやAristotleの著作を精査し、西洋古代宇宙論を整理、確認する作業を併せ行っている。文学に関しては、申請書に記した研究順序を変更し、George Chapmanから始めた。先に研究することにより、当時の「知」への関心のあり方を知ることが研究をスムーズに進めると考えたからであり、その詩作'The Shadow of Night'がPercyサークルのいわばマニフェストであると言われもするからである。 さらにChapmanのみならず、Percyサークルが依拠した一人Giordano Brunoを精読することの必要性から、十七世紀英文学会東京支部の研究者2名とBruno研究会を立ち上げ、月に一度テクストの精読と議論を重ねてきた。最初に取り上げた作品はGli Eroici Furoriである。 2度の渡英で、諸図書館で資料の収集に当たった。また、 Thomas Harriot Lecture、Sixteenth Century Society、John Donne Societyの学会に出席し、海外研究者との交流を深めた。特にThoma Harriot Lectureでは、Harriot研究の第一人者、Royal Society会員のRobert Foxと知り合い、研究交流できたことは大きな成果であった。 研究の成果は、十七世紀英文学会関西支部例会で口頭発表「The Shadow of Nightに光を当てる―ジョージ・チャプマンの知―」を行うに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、Digges父子の資料の収集、精読を続ける。 George Chapmanの研究を、HarriotやBrunoとの関係も視野において進める。23年度の口頭発表を充実、進展させ、論文として発表予定である。 Thomas Harriot SeminarとJohn Donne Societyで、コスモロジーに関する研究発表をする。論文としては、さらに翌年度の発表となるであろう。 イギリスでの資料収集、諸学会出席と研究発表、海外研究者との研究交流を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
在外研究、外国学会出張費が主たる使用目的である。 必要な図書、古書の購入に使用する。 資料収集に必要な経費に充てる。
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