研究課題/領域番号 |
23520312
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 研究員 (80123488)
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キーワード | Thomas Harriot / Thomas Digges / George Chapman / Henry Percy / Giordano Bruno / コスモロジー / アトミズム / インフィニティ |
研究概要 |
前年度までに引き続いて、Thomas Harriotと、彼が一員であったHenry Percyサークルの文人について、さらにThomas Diggesの研究を続けた。HarriotとGeorge Chapmanについての研究を、プラトニズム、ネオプラトニズムにまで発展させ、Thomas Harriot Seminarで発表(12月、ダラム大学)、十七世紀英文学会論集『十七世紀英文学における終わりと始まり』に論文を投稿、掲載が決定された。 京都大学科学史講座の研究者の許、初期近代ヨーロッパ宇宙論、天文学、量子論に関して研究を続けた。 京大文学部閲覧室を中心とした資料収集、十七世紀英文学会での国内研究者と研究交流を行った。それに加え、年間3度、各数週間ずつ渡英、Oxford、Londonで研究、資料収集、またLeiden(オランダ)、Baton Rouge(米国)、Durham(イギリス)での国際学会に出席、海外諸国の研究者と研究交流を深めた。 昨年立ち上げたGiordano Bruno研究会を継続的に毎月行い、De gli Eroici Furoriに基づき議論を重ねた。Brunoは上記Henry Percyサークルのメンバーが強く関心を持っていた神学者・哲学者である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
緻密かつ着実な天文学上の文献の考察をめざし、昨年に続いてThomas Harriot、Thomas Diggesを読み解く作業を続けている。 昨年のChapman研究で行きつけなかった点にまで到達するために、Platoの著作に加え、Ficinoのプラトン解釈・註解を読み進めている。これは予定になかったことであるが、研究を続けるうちに必要不可欠であることに気づき、取り組むことにした。 英文学ではChapmanを読み続けてきた。一筋縄ではいかない作品群であるため、予定し以上の時間を費やすことにした。 Thomas Harriot SeminarにてThe Shadow of Night Illuminated -- The Knowledge in The Shadow of Night by George Chapman, a contemporary of Thomas Harriotと題して口頭発表し、出席者から貴重な意見を得た。また昨年は、研究成果を文章化することができなかったが、今年は論文に執筆し、十七世紀英文学会論集『十七世紀英文学における終わりと始まり』への掲載が決まった。現在Intellectural History Journalへの投稿に向けての論文も執筆中である。 Thomas Harriot Seminarの副会長Stephen Clucasと頻繁に連絡を取り合い、また面会して、現在の研究テーマについて議論しあっている。研究テーマがClucasと非常に近いゆえである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、Harriot、Digges父子の資料の収集、精読を続ける。特にイギリスの図書館や公文書館で未考察の手稿の精読にあたる。 同様に、Bruno、Ficino等イタリア哲学資料の考察を行う。 Henry Percy関係の資料の収集にあたる。NorthumberlandやPetworthの邸を訪れ、資料を探す。次年度での発表に向け、考察を深め整理する。 できれば、Sir Walter Raleghの霊魂論にも踏み込んでいきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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