前年度までに行ってきた建国期アメリカ文学を題材にした調査、研究から、アメリカにおけるコスモポリタニズムの伝統がニューヨークという地域性と密接なつながりをもつものであるとの理解が得られた。そこで、本年度においては、コスモポリタニズムとニューヨークの関連性を歴史的観点から積極的に掘り下げる調査研究を行った。アメリカ文学会全国大会(2013年10月13日明治学院大学白金キャンパス)におけるシンポジアム「初期アメリカ文学とニューヨーク」の企画・運営・司会、および、同シンポジアムにおいて講師として行った研究発表「歴史小説とニューヨーク」はそのもっとも大きな成果である。 アメリカにおけるコスモポリタニズムの起源と考えられるニューヨークがオランダ起源の植民地であったことに鑑み、オランダ西インド会社によるニューヨーク開拓の歴史を調査する目的で、2013年8月26日から9月2日までの8日間の日程でアムステルダム、ハーグ、ライデンを訪れた。オランダ海洋博物館(アムステルダム)、アムステルダム国立美術館、アメリカン・ピルグリム博物館などの施設を訪れ、主に17世紀におけるオランダの海洋進出の中で北米植民地がどのような位置づけにあったのかについて調査、資料収集を行った。 2014年1月10日から14日までの日程でシカゴで開催されたMLA年次大会に出席。関連分野のパネルに出席することによって情報収集および関心を共にする研究者との意見交換を行った。
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