本研究では日本と英語圏諸国に於けるワイルドの受容状況の比較研究を行うことによって、日本に於けるワイルド受容の複数の特徴を明らかにすることができた。また、従来日本で注目度が低かった喜劇作品の受容にも重点を置いた研究を行うことで、より均衡の取れた受容研究を進めることができた。その際、演劇に焦点を当てながらも、ワイルドの戯曲以外の作品受容にまで視野を広げてこそワイルド劇自体の受容の全貌が明らかになるため、作品の幅を広げた多角的な研究を行い、多岐に渡るワイルド受容の諸相について具体例と共に考察を深めた。
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