研究課題/領域番号 |
23520332
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 教授 (00188533)
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研究分担者 |
道家 英穂 専修大学, 文学部, 教授 (70198000)
高岸 冬詩 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (20248917)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 韻律 / 押韻 / イデオロギー表象 / マクニース / オーデン |
研究概要 |
今年度は、ルイ・マクニースおよび W.H. オーデンの作品の読解・解析を進めた。その結果、マクニースの場合、内戦中のスペイン訪問を含む長編詩 Autumn Journal においては、音韻の揺らぎによって、自らの政治的コミットメントの度合いの変化を表現している可能性のあることが判明した。また、オーデンは、スペイン内戦に関する詩が有名であるが、その直後に、日中戦争のさなかの中国本土をイシャーウッドと数ヶ月にわたり旅をしており、そこで作成された連作ソネットは、まったくの古典的な定型詩を用いることで、戦時中の混沌に抗していると解釈できることが判った。また、ロンドンのパブリック・ライブラリーとオックスフォード大学のボードリアン・ライブラリーでマニュスクリプト調査をし、マクニースやオーデンのマニュスクリプトや手書きの手帳、手紙などを閲覧し、作品の生成過程を具体的に知ることが出来た。さらに、マクニース令嬢のコリンナ・マクニースとメールのやりとりを通じ、伝記的情報を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルイ・マクニースおよび W.H. オーデンの作品解析が進み、一定の成果が得られたため。具体的には、マクニースのAutumn Journal における音韻構造の揺らぎの意味について新たな解釈を提出することが出来た。また、ロンドンとオックスフォード大の図書館において、マニュスクリプト閲覧を実施することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き、マクニースおよびオーデンの作品解析を進める。また、それ以外のジョン・コンフォードやスペンダーらの詩の読解・解析を進め、それぞれがどういったイデオロギー表象をどういう意味を持たせて使用しているかを調査する。また、マクニースおよびオーデンのマニュスクリプト調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1930年代詩人の作品や研究書を入手する。オックスフォードあるいはニューヨークでマニュスクリプトの閲覧、コピーをし、テクスト生成過程の解析の一次資料とする。また、時代背景を知り、イデオロギー表象を解析するため、必要な写真集・資料集などを入手する。
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