研究課題/領域番号 |
23520332
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 教授 (00188533)
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研究分担者 |
道家 英穂 専修大学, 文学部, 教授 (70198000)
高岸 冬詩 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (20248917)
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キーワード | 韻律 / 押韻 / イデオロギー表象 / マクニース / オーデン / リブレット |
研究概要 |
今年度は、昨年度に引き続き、ルイ・マクニースおよび W.H. オーデンの作品の読解・解析と、マニュスクリプト調査を実施した。 オックスフォード大学のボードリアン・ライブラリーでマクニースの Autumn Sequel のマニュスクリプトを、著作権者の許諾を得たうえで、デジタルカメラで撮影することが出来た。この資料をもとに、マクニースの最終稿との異動、またその理由を考察していく作業を開始した。 W.H. オーデンに関しては、スペイン戦争の後に、イシャーウッドと共に中国大陸を訪れ、詩および紀行文を書いていることの意義を考察した。 マクニースもオーデンも戯曲を書いているが、マクニースの場合は、ラジオ・ドラマの録音が市販はされていないが音源がブリティッシュライブラリーにあることを確認した。また、オーデンの場合は、相当数のオペラ台本(リブレット)を書いており、その意味についても考察した。リブレットにおいては、特にアリアの部分で定型詩を用いているので、それと通常の詩作との共通性や相違点を比較している。 また、マクニースの代表的長篇詩Autumn Journal に、3人が共同で詳細な註・解説を付した翻訳書『秋の日記』を、2013年3月に刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルイ・マクニースおよび W.H. オーデンの作品解析が進むと同時に、マクニースに関しては、Autumn Sequel という長篇詩のマニュスクリプトを著作権者の許諾を得て、デジタルカメラで撮影することが出来たので、最終稿との異動を確認するための基礎資料を得ることができたため。 マクニースの長篇詩Autumn Journal に関しては、詳細な註釈、解説を付した翻訳書を2013年3月に刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
マクニースおよびオーデンの作品解析を進めると同時に、とくにマクニースの Autumn Sequel については、マニュスクリプトと最終稿の異動を調査する。また、マクニース、オーデンとスペンダーの比較を、イデオロギー表象の用い方に留意しつつ実施する。 6月には、日本英文学会関東支部夏季大会において、司会に現代詩の専門家である中尾まさみ氏(東京大学大学院教授)を迎え、辻、道家、高岸をパネラーとするマクニースについてのシンポジウムを開催する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1930年代詩人の作品や研究書を入手する。ロンドンのブリティッシュ・ライブラリーあるいはオックスフォード、ニューヨークでマニュスクリプトの閲覧、著作権者の許諾をえてのデジタル写真での撮影をし、テクスト生成過程の解析の一時資料を作成する。またイデオロギー表象を解析するため、必要な写真集、資料集を入手する。
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