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2013 年度 実施状況報告書

シェイクスピア・フォリオの書き込みにみられる読者像

研究課題

研究課題/領域番号 23520333
研究機関明星大学

研究代表者

住本 規子  明星大学, 人文学部, 教授 (10247174)

キーワード国際研究者交流 / フランス / シェイクスピア・フォリオ / マージナリア / 読者論 / 英米文学
研究概要

本研究は、シェイクスピア・フォリオの現存するコピーに残された読者の書き込みの蒐集、転写、分析をすることで得られるデータと、上演や出版、ジャーナリズムなどの資料をつきあわせることで、主として18世紀の読者によるシェイクスピア受容の実態について、より具体的な解析を試みる読者論である。平成25年度では、
(1) 日仏2名の研究協力者を招聘し、2013年7月19日(金)に明星大学において一般の人々も対象として「シェイクスピアの読者たち(Shakespearean Readership: An International Symposium on Readers and Users of Shakespearean Folios)」を開催した(参加者約150名)。このシンポジウムでは、全ページ書き込みのある現存フォリオ本の例の紹介(「明星大学所蔵フォリオ本(MR774とMR733)の書き込みについて」研究代表者)、シェイクスピアの読者史論( “Life with the Bard―Shakespeare and the Shaping of the Early Modern Self”. Jean-Christophe Mayer CNRS教授)、明星コピー(MR774)の読者の書き込みの歴史的コンテクストにおける読解(「『ヘンリー8世』の‘craftie emperor’ ―MR774への書き込みから考える劇中の外交政策」廣田篤彦 京都大学准教授)という3本のトークのあと、実際のフォリオ本を前に講師3名が参加者と質疑応答等の交流をもった。両研究協力者からは書き込み研究の可能性に関する様々な専門的知見を得ることが出来た。
(2) MR774の研究の一環として同僚の教員とOita Text Forumにて共同口頭発表を行った。
(3) 書き込みのあるフォリオの画像データ蒐集として、3月にロンドンのNational Art Libraryに出張し全ページの写真撮影をおこなった。
(4)ボドレー図書館Gc.9のケースで18世紀読者のシェイクスピア受容に関連づける考察の骨格をほぼ完成させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

最終年度に向けて必要となる書き込み転写結果のフォーマットを完成するに至らなかった点を主として考慮し、やや遅れているという評価とする。

今後の研究の推進方策

1.最終報告書の出版を前提とした情報確認のための図書館現地調査。
2.画像出版許可の申請などの、出版準備をすすめる。

次年度の研究費の使用計画

シンポジウムへの海外研究者を複数招聘する予定であったが、複数にするには予算が不足するおそれがあったため、ひとりとした。そのためにこの額が生じた。
次年度の出張旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ある18世紀初頭のシェイクスピア読者2014

    • 著者名/発表者名
      住本規子
    • 雑誌名

      日本ジョンソン協会年報

      巻: 38 ページ: 14-18

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Updating Folios: Readers’ Reconfigurations and Customisations of Shakespeare2013

    • 著者名/発表者名
      Sumimoto, Noriko
    • 雑誌名

      Early Modern Literary Studies

      巻: Special Issue 21 ページ: not paged

    • 査読あり
  • [学会発表] Analyzing the marginalia of Shakespeare’s First Folio: The identities and stance - taking of a seventeenth - century reader of Hamlet

    • 著者名/発表者名
      John E. Ingulsrud and Noriko Sumimoto
    • 学会等名
      Oita Text Forum, Workshop 5 Text and Context
    • 発表場所
      豊後高田市真玉町コンサートホール

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公開日: 2015-05-28  

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