研究課題/領域番号 |
23520335
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 富久子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00063751)
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研究分担者 |
平石 妙子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (80060705)
河原崎 やす子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)
岡島 慶 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (10710569)
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キーワード | モニク・トゥルン / ラフカディオ・ハーン / 『怪談』 / エレイン・キム / 朝鮮半島 / 巫女文化 / トリン・ミンハ / 死生観 |
研究概要 |
本プロジェクトの最終年度にあたる今年度、各々のメンバーは関連する現地での聞き取り調査を行うとともに、一次資料の収集をも実施し、成果をあげることができた。 まず代表者の小林は、2月27日から3月6日まで、ニューヨークのコロンビア大学およびカリフォルニア大学バークレー校に赴き、関連する作家・研究者に会見、また、それぞれの大学図書館にて資料収集を行った。まずニューヨークでは、コロンビア大主催で開催中の「新しい文学フェスティヴァル」に一般参加し、そこでパネリストを務めたヴェトナム系作家、モニク・トゥルン氏への個別のインタヴューを実施、日本の「怪談」の著者ラフカディオ・ハーンに特別の関心を寄せるトゥルン氏からはヴェトナムおよび日本の「幽霊物語』の類似点や相違点に関する有益な示唆を得ることができた。さらに、カリフォルニア大では、韓国系のエレイン・キム教授およびヴェトナム系のトリン・ミンハ教授にインタヴューし、前者からは朝鮮半島の巫女文化、後者からはアジアと西洋におけるあの世とこの世もしくは死生観の違いについて、各々有益な知見を得ることができた。 共同研究者の河原崎もカリフォルニアのUCLA図書館で一次資料の収集を行う一方、岡島はハワイ大学での多民族研究学会(MELUS)に参加、アジア系研究者たちから有意義な意見聴取を行った。 なお、以上の調査活動に加えて、4人の研究者は執筆活動も積極的に行った。いずれも『憑依する過去』と題する論集にアジア系のトラウマをテーマとする論文を寄稿しているが、その各々が明白に本プロジェクトでのアジア系「幽霊物語」に関する調査から得られた知見と洞察を基とするものであることを付け加えておく。
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