本研究では、エスニシティが場所や風景の空間表象としていかに描出されるかを考察した。19世紀の「フロンティア」、「田園的理念」さらに「サブライム」の概念とは異なる移民の自然体験と風景の構築を中国系作家マクシーン・ホン・キングストンの『アメリカの中国人』(China Men)に検討し、ネイティヴ・アメリカン作家のレスリー・マーモン・シルコウの『儀式』に土地に根差した部族の物語が持つ意味を考察した。他にヴェトナム系作家の作品なども検討し、人々がそこから物語を紡ぐ特定の場所としてエスニシティがいかに描出されるか考察を深め、これらの考察を研究成果として雑誌論文などにまとめることができた。
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