コーパスを用いた量的分析と,事例研究による質的分析とを併用して,宮崎駿作品を含む日本のアニメーション映画の翻訳の特徴を,共時的な視点と通時的な視点の双方から明らかにした。さらに,音響データの効率的処理方法を提示し,非言語データを含む視聴覚メディアの多重コード・テクストのデータベース化を進めた。 2000年以前の日本アニメは,多重コード全体がローカライズされていたが,その後は忠実な翻訳に向かっている。ただし,文化障壁が認められる個所や,コード間のメッセージに齟齬がある場合は,セリフが書き替えられる。そして,アメリカ版は,沈黙を埋めるために音響操作を多用する明確な傾向を示していることがわかった。
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