キニャール作品におけるジェンダーの概念を再検討をとおして、現代フランス文学の地平を明らかにすることを目的とした。初年度の平成23年度には、キニャール作品の射程を見極めるため、既成の文学ジャンルを逸脱する作品群を研究した。続く平成24年度には、ジェンダー概念と作品創造との関連性を分析し、キニャール作品の特異性、ひいては現代文学の前衛的な性格を明らかにした。平成25年度には作家および国内外の研究者を招聘し、国際シンポジウムを主催した。国際シンポジウムでは、それまでの研究成果を発表する機会を得たが、同時にさらに研究すべき課題も見つかったため、研究期間を一年間延長し、テーマの深化を行った。
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