• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

フランス植民地主義時代の旅行記におけるエキゾチシズムの諸相

研究課題

研究課題/領域番号 23520367
研究機関東京大学

研究代表者

田口 亜紀  東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (90600502)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードフランス / 文化交流 / フランス・ジャポン / エキゾチシズム
研究概要

本研究は、植民地主義時代の文化的かつ政治的潮流を念頭に置き、1870~1960年にフランス語で書かれた作品において、エキゾチシズムの表出を跡づけ、この概念の変遷を明らかにし、異文化理解の可能性を探ることを目的としている。異文化に対する植民地主義的見方が、新しいエキゾチシズムとともに、多様な文化の積極的評価へと転換する過程を辿る。1870~1960年において、西洋と非西洋の関係とはすなわち「帝国」対「植民地」の関係である。西洋と東洋の一方向的な関係が確立された時期の文学を読み解く必要があると考えた。19世紀後半からフランスは植民地政策を強化し、「文明化の使命」のイデオロギーを国に浸透させていった一方で、日本のように植民地ではない非西洋との関係にも目を向ける必要があった。その問題を考察する材料となるのが、フランスと日本の文化交流誌であろう。フランスと日本の両国の執筆者が協力して、1930年代に雑誌『フランス・ジャポン』が刊行されたが、今年度は、この雑誌においていかに文化交流がなされていたのか、そこでエキゾチシズムはいかに作用しているのか、という点について研究を絞る結果となった。フランス国立図書館での資料調査を経て、研究結果が論文集に公表されることになった。さらに平成23年度の達成目標は、本研究の具体的方向を示し、書誌を整理・分類・検討することであった。研究課題にそってフランス語で書かれた19・20世紀旅行記の書誌を作成し、欠落していた重要文献を蒐集し、基本コーパスの充実に努めた。また近年刊行されている近現代旅行記関連の目ぼしい研究書をそろえた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2012年8月に短期でフランス国立図書館にて資料を調査、収集した。その後、この調査旅行で収集した資料を読み込んだ。研究目的である新しいエキゾチシズムの解明を目的として、この資料はその後の文献精読・分析・論考のコーパスとなる。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、二年目の調査旅行を行う。フランス国立図書館で資料を収集し、その分析・検討の段階を経て、それを批評的論点に照らし合わせて得られた結果を総括・論述し、打ち立てた研究課題に対する研究成果を学術雑誌に発表し、学会で発表する計画である。

次年度の研究費の使用計画

2年目の研究費の使用は、フランス国立図書館での資料調査に必要な経費が主となる予定である。特に1870~1960年のエキゾチシズムに関する書誌の作成に関わる内容となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 和田桂子ほか編『満鉄と日仏文化交流誌「フランス・ジャポン」』内「『フランス・ジャポン』の 日本人執筆者」2012

    • 著者名/発表者名
      田口亜紀
    • 総ページ数
      21
    • 出版者
      ゆまに書房

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi