ルターの思想構造を生成から捉える基礎研究。最初期(1509-11)資料研究・エディション(2009刊)を踏まえ、次いで古い現存資料「第1回詩篇講義」草稿(付加を含め1513-16)の分析(筆跡、インク、紙質・透かし等)により、テクスト成立順の研究を進めた。成果の一部は、ドイツで宗教改革の里程標となった諸文書を解説する単行本の中で既刊。また1520年に提示された聖書解釈原則「聖書は自らの解釈者」の成立過程と内実を明らかにし、本年ドイツで刊行予定の論集に寄稿。さらにメランヒトンの聖書注解への注記(1536年頃)の初エディション(初期資料を顧慮した注解付)が、ドイツの「ルター年鑑」本年号掲載予定。
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