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2014 年度 実績報告書

ハプスブルク帝国下の文学・芸術における東方への眼差し

研究課題

研究課題/領域番号 23520372
研究機関東京工業大学

研究代表者

山崎 太郎  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (40239942)

研究分担者 市川 伸二  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (20176283)
安徳 万貴子  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 准教授 (70585132)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードヨーロッパ文化
研究実績の概要

(全体)研究代表者および分担者3名で情報交換会を開き、各個人の研究の進展その他を確認、本科研集大成の年となることを意識しつつ、過去数年の研究成果を踏まえ、大きな発表のためのまとめあげに専念した。
山崎はトルコおよびオリエントを題材にした数多くの歌劇作品の音源・台本および同テーマをめぐる欧米の研究書・論文を調査、平成25年度から引き続いて行なったアルジェリアの港湾都市オランをめぐるスペイン対イスラム教徒の攻防、アフリカ北部地中海沿岸の海賊の実態についての資料調査の成果とともに、すべてをもう一度「モーツァルトの歌劇《後宮からの逃走》における幕切れの書き換え」というテーマのうちに統合し、位置づけたうえで、その成果と今後への展望をまずは研究発表としてまとめた。
市川は、ハプスブルク文学に属する作家カフカの作品『審判』における交流問題を、階段形象を中心に分析し、その際、ヘブライ・ユダヤ、更にはロシアといった「東方」の テクストにおける階段のイメージと比較・検討することによって、その特性を解明した。また、「リルケとロシア」のテーマに関しては、引き続き資料収集を続け、論文の基本構想を固めつつあり、来年度以降論文を発表する予定である。
安徳は、ホフマンスタールの「東方への眼差し」を歴史的に捉えるため、18世紀以降、西洋が東方文化を吸収する素地を築いたヘルダーに遡った。同じ主題(言語論・彫塑論)に異なる迫り方をする両作家を比較することで、ホフマンスタールの文学の核にある「主客の分離」といった認識上の枷が浮かび上がった。(この成果を「ホフマンスタールの世界像」論として発表した。)東方への関心を軸に、ホフマンスタール・ノヴァーリス・ヘルダーの知覚論・世界史観を対照し、予定より長いスパンで論文執筆を進める計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 浮遊する交流ーカフカの『審判』について2015

    • 著者名/発表者名
      市川伸二
    • 雑誌名

      東工大外国語研究教育センター 「言語文化論叢」

      巻: 20 ページ: 1-31

  • [雑誌論文] Linde rennt2014

    • 著者名/発表者名
      Taro Yamazaki
    • 雑誌名

      Das Kunstwerk der Zukunft(hrsg.Sven Friedrich)

      巻: 1 ページ: 153-171

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 罪びとの道――『パルジファル』における救済と共苦の弁証法2014

    • 著者名/発表者名
      山崎太郎
    • 雑誌名

      新国立劇場《パルジファル》公演プログラム

      巻: 1 ページ: 25-28

  • [雑誌論文] 傷跡と未来への希望 二期会モーツァルト『イドメネオ』公演批評2014

    • 著者名/発表者名
      山崎太郎
    • 雑誌名

      毎日新聞2014年10月14日夕刊

      巻: 1 ページ: 17

  • [雑誌論文] 闇のなかで〈人間〉であれ――ホフマンスタールの世界像――2014

    • 著者名/発表者名
      安徳万貴子
    • 雑誌名

      新国立劇場《アラベッラ》公演プログラム

      巻: 1 ページ: 32-34

  • [学会発表] メルヘンと史実の交わる地点―モーツァルトの歌劇《後宮からの逃走》とアルジェリアの港湾都市オラン攻防2015

    • 著者名/発表者名
      山崎太郎
    • 学会等名
      FLC研究会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2015-02-19

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公開日: 2016-06-01  

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