研究課題
最終年度はレーデン=エスベック著のノイバー夫人に関する伝記やー座の興行記録を調べ、演劇改革の推移を年表にまとめた。ノイバー夫人による『ドイツの序幕』(1734)と演劇綱領、代表作『羊飼いの祝祭あるいは秋の喜び』(1753)を解析し、演劇人としてのノイバー夫人の活躍を明らかにした。5月、口頭発表「ノイバー座の演劇改革とザクセン喜劇の受容をめぐって」を日本独文学会で行った。 6月、「宮廷喜劇俳優カロリーネ・ノイバーの演劇改革の試みと演劇綱領 ―『ドイツの序幕』を中心に」と題し、一座のライプツィヒでの興行内容と各地を巡る移動劇団としての活動、ハルレキーンを巡る対立、若手俳優育成の功績を日本演劇学会で発表した。11月、日本独文学会北陸支部発表会で、ライプツィヒ派の若手劇作家テオドール・ヨハン・クヴィストルプの喜劇における下僕役の変遷と喜劇性について発表した。7月、広島市立舟入高校で「ドイツ啓蒙の時代とレッシングの演劇」と題する講演をした。以下は今年度の主な論文成果である。1)「宮廷喜劇俳優カロリーネ・ノイバーの演劇改革の試みと演劇綱領 -『ドイツの序幕』を中心に」『演劇学論集』第58号(日本演劇学会2014年8月)2) Botschaft der Komik oder Uebermittelung von Vernunft? - Zu Dienerfiguren in aufklaererischen Komoedien. In: Sammlung fuer Tateshina Kulturseminar 2011-12. (日本独文学会編投稿中)ザクセン喜劇の対照となるゲラート作『優しい姉妹』とヴァイセ作『尺には尺を』はまだ解析中で、「啓蒙喜劇におけるコメディア・ゲラルテの影響と現代性」について西洋比較演劇研究会で2014年7月発表予定であり、本研究成果を著書にしたい。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
『演劇学論集』 日本演劇学会編
巻: 58 ページ: 印刷中
Akten des XII. Internationalen Germanistenkongresses Warschau 2010. Vielheit und Einheit der Germanistik weltweit. Franciszek Grucza (Hg.) Frankfurt am Main: Peter Lang
巻: 11 ページ: 43-47