研究課題/領域番号 |
23520388
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小黒 康正 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (10294852)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | メレシコフスキー / メラー・ファン・デン・ブルック / トーマス・マン / カンディンスキー / フィオーレのヨアキム / ネオ・ヨアキム主義 / 第三の国 / 第三帝国 |
研究概要 |
ロシア象徴主義の先駆者であり、ネオ・ヨアキム主義の理論的支柱であったドミトリー・メレシコフスキー(1866-1941)から多大な影響を受け、「第三の国」Das dritte Reich を待望したドイツ語圏の知識人は少なくない。同思想はナチスドイツが標榜した「第三帝国」Das dritte Reich として一般的に知られ、政治思想史の分野で数多くの研究が存在する。しかし、第一次世界大戦以前の状況については十分に研究が進んでおらず、特にドイツにおけるメレシコフスキー受容については、若干の例外を除いて、ドイツ本国においてもいまだ十分な研究成果を得ていない。 そこで本研究は、同受容に関して、研究代表者がこれまで行ってきた研究成果を先ずはまとめ、2010年夏にポーランドで行われた国際独文学会(IVG)の論集にドイツ語論文「Neo-Joachismus auf der „geistigen Insel" in München. Kandinsky, Mereschkowski und Thomas Mann」(ミュンヘンの「精神の孤島」におけるネオ・ヨアキム主義 ―カンディンスキー、メレシコフスキー、トーマス・マン―)を寄稿した(本論集は目下、編集作業中である)。その後は、『第三帝国』(1923年)の著者メラー・ファン・デン・ブルック(1876-1923)がメレシコフスキーの協力を得て1905年にドストエフスキー全集を公刊したことを、目下、調査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年3月以降現在に至るまで、一身上の都合で海外出張ができなくなった事を除くと、概ね計画どおりに研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後とも一身上の都合でしばらく海外出張ができず、当初の研究計画にあった海外での研究発表や資料調査ができない。その分、国内での研究活動に集中しながら、今後の研究を推進したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
図書購入を中心に使用する予定。
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