本研究はフランス語で書かれたマグレブ(北アフリカ地域)の現代小説において、パリがいかに表象されているかを考察し分析することを主眼とした。異邦人として、植民支配を受けた出自をもつ者として、当該地で生まれた移民次世代のフランス人として、マグレブに出自をもつフランス語表現作家たちが伝統的文学トポスであるフランスの首都をいかに表象するか。いくつかのカテゴリーに分けつつ同時に共通性を確認して収集した文献を分類、統合しながら論文や抄訳にまとめ、その成果を国際会議にて発表した。その主たる題材として、アルジェリア出身女性作家、アシア・ジェバールとレイラ・セバールの代表的小説を取り上げた。
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