まず、バルザック、ジョルジュ・サンド、マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール、テオフィル・ゴーチエ、スタール夫人の小説を取り上げ、文学と絵画の相関性を分析し、絵画が小説構造に果たす象徴的な意味を明らかにした。次に、上記の作家の作品の登場人物のポルトレを抽出し、それぞれラファエロ、ジロデ、ルーベンス、ホルバイン、ドメニキーノなどの絵画的表象と関連づけ、19世紀当時の「女らしさ」「男らしさ」の概念と比較対照しながら、ジェンダーの視点から検証した。最後に、女性作家と男性作家の小説における女性の芸術家像を比較することで、女性作家独自の芸術家像を浮き彫りにした。
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