研究課題
基盤研究(C)
本研究で、われわれはマラルメの言語観の形成に果たした同時代の言語学とインド学の影響を考察した。言語学とインド学とにマラルメがかかわったのは、彼が直面した文学的な「虚無」の問題の解決のためであった。しかし言語学とインド学を通した虚無の探求は、彼に散文作品「イジチュール」の挫折しかもたらさなかった。これ以降の言語学や東洋学と接点を持つマラルメの「古代の神々」や「英単語」は虚無の再検討であり、ここから最終的に東洋的な空無と類似する思想を取り入れた言語観を導き出したことを明らかにした。
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教養論叢
巻: 135号 ページ: 71-104
巻: 134号 ページ: 35-62