ヒンディー文学史上のバクティ期を代表するヒンドゥー教の詩人(トゥルシーダースとスールダース)とイスラム教の詩人(ラヒームとラスカーン)の交流を考察し、それを聖者伝と文体から明らかにした。四人の詩人たちの文体、中でも韻律を分析することで、トゥルシーダースが他の三人が得意としたパド、バルヴァイ、サワイヤーの韻律を取り入れ、より洗練させた形で自ら著していたことが成果として得られた。それを裏付けるように、トゥルシーダースはこれら三人の詩人すべてと接点があったことが『上人伝要解』という聖者伝に詳細に記されていることが分かり、古ヒンディー語アワディー方言のこの作品を解説をつけ、日本語に翻訳した。
|