劉禹錫は柳宗元より遺稿を託されて30通に編集した。それは現存しないが、現存する他の多くの宋代の版本とその註や総集等に反映されている。最も直接に継承するのが南宋永州33巻本(1165年,1208年)である。現存するのは数巻の残葉に止まるが、楊守敬の抄録(1917年)で巻16「序上」がはぼ復元可能であり、さらに蓬左文庫蔵金沢文庫旧蔵の音辯本45巻本の鈔本(1312年)に加えられた校注は同じく金沢文庫旧蔵の永州33巻本を用いたものであり、これによって相当数の所収作品と異文とを知ることができる。その他、音辯本鈔本は『音註唐柳先生文集』からも抄出するなど、柳集研究にとって極めて高い資料的価値を有する
|