皇帝の訓諭である「聖諭」を宣読し講説して民衆を教化する「聖諭宣講」は、民衆に親近感を持たせるため、近代に至って説唱(語り物)形式の民間芸能に変容していった。そうした説唱形式の「聖諭宣講」は、現代では湖北省の「漢川善書」にしか伝承されていないが、実は全国に分布して民衆教化に奏功していたと思われる。この研究ではテキストを収集することによってそれを明らかにした。 「聖諭宣講」は近代に至って地方芸能に採り入れられた。この研究では、現地調査によって、湖北大鼓などの形式による「宣講」の存在を明らかにし、近現代においては、「聖諭」のみならず、「政策」宣講が行われるようになったことも具体的に明らかにした。
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