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2012 年度 実施状況報告書

近現代日本における性・身体・権力―差別と性的倒錯の起源についての文学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520443
研究機関和光大学

研究代表者

山本 ひろ子  和光大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90318709)

研究分担者 宮崎 かすみ  和光大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10255200)
キーワード文学批評 / 文学論理
研究概要

今年度は仮面を用いた民俗芸能・田遊びや寺院の祭礼へ足を運び、被差別部落に生まれ育った方への聞き取り調査、及び被差別部落の口誦文学・伝承や民俗仮面研究の第一人者・乾武俊氏の最新の研究・創作動向を視野に、研究会・シンポジウム・フォーラムの開催などを行った。
文学研究と在地の口誦文学・伝承、また民俗芸能や民俗仮面研究、さらに芸能創作の現場など多岐に亙る領野を横断しながら、被差別部落/伝承/呪術的言語/身体における倒錯と転覆という研究テーマを深めていった。
研究調査・フォーラム等/1月20日~21日:平泉・毛越寺「二十日夜祭」見学、2月13日:赤塚・諏訪神社「田遊び」見学、3月25日~27日:山陰フィールドワーク、4月29日:安来・清水寺「本堂修復落慶法要」列席、5月3日~7日:土佐・物部フィールドワーク、5月19日~20日:高石市・「乾武俊卆寿出版記念イベント」参加・乾氏宅訪問、6月3日:「うたげの会」詩人・入沢康夫氏招聘「詩のうまれる場所―死者たちの群がる風景」、6月24日:土曜会「民間の仮面を考える―乾武俊卆寿記念イベント報告・山内登貴夫氏を迎えて」、8月5日:土曜会「<黒い翁>と芸能/中上健次の彼方へ」報告、12月1日~2日:大阪・高石フィールドワーク・乾武俊氏訪問、12月15日:東京外国語大学・「甦る中上健次 熊野、差別、そして<もうひとつの路地の物語>へ」公演、3月2日~3日:和歌山市・「和歌浦◎仮面フォーラム」開催

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フィールド調査に重点を置き、精力的に各地へ調査に出掛け、同時にさまざまな規模での研究会を数度開催し、研究テーマを深めることが出来た。
とりわけ乾武俊氏をゲストに、3月に和歌浦で開催した「和歌浦◎仮面フォーラム―芸能と仮面のむこうがわへ」は中間報告的な位置づけの会となり、今後はそこで得た問題提起をもとに、仮面フォーラム(仮)の第2、第3弾を企画し、最終年度にむけて問題の整理、深化を計りたい。

今後の研究の推進方策

専門領域を異にする研究者が一同に介する研究会を開催し、研究テーマの深化を図る。また祭の場や劇場に足を運び、身体・呪術・性・文学といった問題を、文学-芸能-差別の生成する現場に於いて捉える。
具体的には、昨年度開催した「仮面フォーラム」の流れを汲み、「仮面フォーラム(仮)」第2弾を7月の和光大学で、さらに12月~1月には和歌山で開催し、被差別部落の伝承、芸能、文学をめぐって、芸能史研究家、仮面研究家、文学者、芸能者、文芸評論家などを招聘して、テーマを多角的な視点から捉えなおし、研究成果としてまとめてゆく。
同時に高知県吉良川の御田見学、さらに大阪和泉市の盆踊りの現地調査、能・狂言の鑑賞、研究を通じて、身体の呪的表現・倒錯する性などについても考察を重ねてゆく。
最終的には論文や著述として研究成果をまとめ、図像・データ等の記録の公開を行う。

次年度の研究費の使用計画

現地フィールド調査の為の費用のほか、インフォーマントへの謝金、研究会の開催の為の準備や報告書作成、さらにデータ整理等としての使用を予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 『紀州』の向こうへ―キンジニヤニヤと「兄妹心中」、そして南方的想像力2012

    • 著者名/発表者名
      山本ひろ子
    • 雑誌名

      別冊太陽 没後二〇年 中上健次

      巻: 199 ページ: 166-171

  • [雑誌論文] その先の異郷へ/隠れ里幻視行―折口信夫の初期作品から―2012

    • 著者名/発表者名
      山本ひろ子
    • 雑誌名

      文学

      巻: 13巻 第6号 ページ: 101-117

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公開日: 2014-07-24  

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