研究課題/領域番号 |
23520447
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
瀬戸 宏 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80187864)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | シェイクスピア / 中国 / 文明戯 / 話劇 / 林琴南 |
研究概要 |
・研究代表者の個人研究HP内に本科研費専用ページを開設した。・曹樹鈞上海戯劇学院教授(中国シェイクスピア研究会副会長)を招聘し、早稻田大学演劇博物館で2011年12月10日に「中国の舞台におけるシェイクスピアの伝播と受容」と題する特別講義(中国語、通訳付き)をおこなった。中国シェイクスピア受容に対する認識を深めることができたと同時に、英文学研究出身の中国語を解しない研究者との交流も行うことができ、たいへん有益であった。・『摂大人文科学』19号に論文「中国シェイクスピア受容の黎明」を寄稿した(2012年4月16日現在未刊行)。中国にシェイクスピアの名が伝わった最初から、主に文明戯時期におけるシェイクスピア上演など、清末から民国初期にかけての中国シェイクスピア受容の黎明期の内容を考察したものである。中国にシェイクスピアの名が伝わった最初期の状況について、最新の研究成果を踏まえ、これまでの定説を訂正した。・武漢大学芸術学系で2012年3月7日に講演「多様化的莎士比亜演出在日本舞台上」(日本の舞台における多様化されたシェイクスピア上演、中国語)をおこなった。武漢大学の中国演劇研究者、シェイクスピア研究者と講演内容について交流できたうえに、日本人研究者として自国のシェイクスピア受容に対する認識を深めることができ、たいへん有益であった。・2011年12月23日-2012年1月6日、ロンドン、ストラットフォードおよび北京で中国シェイクスピア受容に関する資料調査をおこなった。特にイギリスの調査では、シェイクスピア生誕地・隠遁地のストラトフォード訪問とロンドンでの『ハムレット』上演(ヤングビック劇場)観劇を実現でき、シェイクスピア認識が大いに深まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・交付申請書に記した民国期を中心とした中国シェイクスピア受容史に関する最低年一回の学術論文寄稿およびイギリス(ロンドン、ストラトフォード)でのシェイクスピア関連資料調査を実行することができた。・交付申請書に記していない、中国の中国シェイクスピア受容史専門家の招聘、日本シェイクスピア受容に関する中国での講演(中国語)も実行できた。・しかし交付申請書に平成23年度の課題として記した上海戯劇協社『ベニスの商人』公演(1930年)についての学会発表、研究論文作成は実行できなかった。これは、科研費交付決定が四月末(研究代表者に実際に通知があったのは五月に入ってから)と遅かったうえに、夏季休暇時の調査研究予定を立てる時期に、科研費の分割交付や三割削減の可能性が示され、安定した研究計画が立てられなかったからである。平成23年度に実行できなかった課題については、平成24年度に実行する。
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今後の研究の推進方策 |
・交付申請書に記した課題を実行する。平成24年度については、平成23年度に実行できなかった研究課題も同時に実行するので、かなりきつい日程になる。・平成24年6月開催の日本演劇学会全国大会で、昨年実行予定であった上海戯劇協社『ベニスの商人』公演(1930年)についての学会発表をおこなう。そこでの質疑応答を踏まえ研究内容を学術論文に作成し、適当な学術誌に発表する。・本年度後半に、交付申請書に記した国立劇専『ハムレット』公演(焦菊隠演出)に関する学会発表および論文作成をおこなう。・上記の学会発表、論文作成をおこなうため、適宜中国(北京・上海その他)および東京および日本国内の適当な都市に資料収集のため出張する。・中国でのシェイクスピア受容と密接な関連のある演劇人または研究者の招聘を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・海外出張(北京、上海その他)および日本国内出張(東京その他)旅費・シェイクスピア、中国演劇関連図書・視聴覚資料購入・論文英文要旨作成(謝金)・中国のシェイクスピア受容史関係演劇人、研究者招聘・研究用パソコンソフトその他、パソコン関係備品購入
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