本研究の目的は、メディアの中の若者についての言説を批判的に分析し、現代社会が無意識のうちに抱いている若者イメージを探ることである。批判的言説分析の研究がこれまで明らかにしてきたように、メディアの言説は社会に内在する権力関係によって強く影響を受けている場合がある。本研究はメディアの若者言説によって作り出される若者イメージを明らかにし、そのイメージと彼らの意識と行動の実態の違いに着目し、メディアの批判的言説分析を行なった。この研究を進める上で、特に若者の「コミュニケーション/人間関係の希薄化」をめぐるメディアの言説に焦点を当て、メディアの若者言説と彼らの意識や行動様式の実態の比較を行なった。
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