研究課題/領域番号 |
23520454
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
西山 國雄 茨城大学, 人文学部, 准教授 (70302320)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 文法化 / 機能範疇 / ラマホロト語 / 一致現象 / 統語論 / 形態論 / 接辞 / 指示詞 |
研究概要 |
本研究の2つの柱は、日本語とラマホロト語における文法化現象の分析と、類型論の文献を基にした通言語的視点からの文法化の考察である。具体的には(1)日本語における文法化現象は連体形(準体言)と形式名詞の発展と(2)ラマホロト語における接辞が一致形態素へ発展した過程を扱う。 (1)については、活用形全体の中で連体形を位置づける論文を執筆し、発表した(出版も確定している。)活用語尾と機能範疇の関係を明確にして、連体形が古語の段階で既に範疇に曖昧(CPまたはDP)である、という分析を提示した。そして「の」はその曖昧性を引き継いだのであって、「の」自体が文法化を経たのではない、という説を出し、従来の見解と異なる立場を示した。 (2)については2つの発表を行った。通言語学的に接辞と一致形態素の区別は連続的で、前者から後者への文法化が広く観察されることを基に、東インドネシアのスラウェシ島に見られる第二位置接辞からラマホロト語の一致形態素が発達したと仮定した。そして小スンダの言語などに中間的な特徴を持つ言語があることを示し、これらの連続性と発達の方向をオーストロネシア諸語の下位分類における中央マラヨポリネシアの仮説により説明した。 一方、中央マラヨポリネシアの仮説は最近その信憑性に疑問が投げかけられている。もしこの疑念が正しければ、上記の発達の方向は語族に内在する発達とは言い切れなくなり、次なる仮説が必要になる。現在考えているのは、東インドネシアにおける、オーストロネシア諸語とパプア言語の接触である。つまり、一致が豊かなパプア言語との接触により、ラマホロト語で一致が発達した、という仮説である。これに関しては、ラマホロト語の所有構文でもパプア言語の影響が見られるという仮説を発表し、検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の1つであるラマホロト語における文法化現象の分析を2カ所で発表し、仮説についても2つの可能性を着想して、今後の考察の道筋ができたから。
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今後の研究の推進方策 |
得られた成果を機能範疇の観点から構造を分析し、その出現方法が従来提案されている3タイプ(移動型、拡張型、ラベル変更型)のどれに入るか、あるいはそれ以外のタイプか、などを考える。特に言語接触が関わると、語族に内在する要因による言語変化とは違った振る舞いをするので、従来のモデルでは説明できない部分が出てくる可能性が大きい。
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次年度の研究費の使用計画 |
得られた成果を機能範疇の観点から構造を分析し、その出現方法が従来提案されている3タイプ(移動型、拡張型、ラベル変更型)のどれに入るか、あるいはそれ以外のタイプか、などを考える。特に言語接触が関わると、語族に内在する要因による言語変化とは違った振る舞いをするので、従来のモデルでは説明できない部分が出てくる可能性が大きい。
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