本研究は,沖縄語(うちなーぐち)と沖縄ことば(日本語と沖縄語の接触言語)の談話と社会言語学の研究である。談話構造の分析では,沖縄ことばの発話末形式「しようね」の固有なモダリティ用法と「さ」,「よ」,「わけ」などの相互行為助詞の会話連鎖上の位置および固有な機能を明らかにした。 ロサンゼルスやサンパウロで継承沖縄語の調査を行い,沖縄語を通して網目状につながる「デジタル・オキナワ」という越境ネットワークと沖縄語の継承運動ついて考察した。さらに,沖縄語を用いた言語景観の分析や沖縄語がどのように商品化されているかを分析し,沖縄語をめぐる競合する言語態度や言語イデオロギーの一端を明らかにした。
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