文頭における自立語化および文の外縁部の構造に関する研究

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23520469
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 言語学
• 研究機関: 神戸市外国語大学
• 研究代表者: 那須 紀夫 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00347519)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 言語学 / 統語論 / 文頭 / カートグラフィー / 主節現象

研究概要

本研究では、文頭における助詞の残留現象を研究対象とし、この現象を可能にする統語的・談話的条件を解明するとともに、文の外縁部の統語構造を明らかにすることを試みた。その結果、次のことが明らかになった。文頭の残留助詞は、終助詞などの文末形式と同類の談話構成機能を持つ。この類似性は、問題となる文頭・文末の形式が句構造上同一の階層に属していることに起因している。その点で助詞残留は文の外縁部が統語と談話の接点を形成していることを示唆する現象であると言える。

研究成果

• [雑誌論文] Topicalization in adverbial clauses : Toward parameterization of embedded root effects (2014)
  • 著者名/発表者名: NASU, Norio
  • 雑誌名: 神戸外大論叢 (神戸市外国語大学) 巻: 64.1 ページ: 61-84
• [雑誌論文] What makes root phenomena special? (2013)
  • 著者名/発表者名: NASU, Norio
  • 雑誌名: Formal Approaches to Japanese Linguistics (Cambridge, Mass. : MIT Working Papers in Linguistics) 巻: 6 ページ: 109-120
• [雑誌論文] 助詞残留が起こる文頭の位置について (2012)
  • 著者名/発表者名: 那須 紀夫
  • 雑誌名: CLAVEL (対照研究セミナー) 巻: 2 ページ: 1-12
• [雑誌論文] Topic particle stranding and the structure of CP (2012)
  • 著者名/発表者名: NASU, Norio
  • 雑誌名: Main Clause Phenomena : New Horizons (Lobke Aelbrecht, Liliane Haegeman, and Rachel Nye (eds.)) (Amsterdam: John Benjamins Publishing Company) ページ: 205-228
  • 査読あり
• [雑誌論文] 文の外縁部を構成する要素について (2011)
  • 著者名/発表者名: 那須 紀夫
  • 雑誌名: Proceedings of the Kansai Linguistic Society (関西言語学会) 巻: 31 ページ: 310-321
  • 査読あり
• [学会発表] Particle stranding in Japanese : Focus, speech acts, and the CP-phase (2012)
  • 著者名/発表者名: NASU, Norio
  • 学会等名: Japanese Korean Linguistics 22
  • 発表場所: 東京:国立国語研究所
  • 年月日: 2012-10-12
• [学会発表] What makes root phenomena special? (2012)
  • 著者名/発表者名: NASU, Norio
  • 学会等名: Formal Approaches to Japanese Linguistics 6
  • 発表場所: ベルリン:在独日本大使館・フンボルト大学
  • 年月日: 2012-09-26