研究課題/領域番号 |
23520470
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
村尾 治彦 熊本県立大学, 文学部, 教授 (50263992)
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研究分担者 |
小薗 真知子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (80128272)
大塚 裕一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70638436)
宮本 恵美 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80623511)
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キーワード | 構文ネットワーク / 失語症 / 認知文法 |
研究概要 |
本研究は、認知文法のネットワークモデルを援用して、失語症者の構文ネットワークモデルを構築し、失語症者の重症度別、失語症タイプ別にネットワーク構造のどの部分まで理解や表出が可能かを明らかにしながら、失語症者の言語知識をモデル化することを目的とするものである。同時に、人間言語を分析する真に有効な理論として認知言語学が妥当かどうか実証的に検証し、今後の認知言語学の発展、将来性に寄与することを目的とする。 25年度は、まず、失語症者の誤りの多い助詞デについて、不足しているデータの数を補うため、さらに県内医療機関を通じてデータの収集を行い、分析をし、引き続き失語症者のネットワークモデルの構築及びその検証に向けて作業を行った。さらに、他の助詞(ガ、ヲ、カラ、ニ)についてもデータを取り、同様の作業を行った。分析の結果、デ格の構文については、健常者でもプロトタイプ用法の「道具」「場所」が文想起率の課題で回答率が高く、周辺用法になるにつれて低くなり、詳細部は異なるところがあるものの、健常者の同課題の傾向と類似した結果となった。その他ヲ格の構文については理解度を測る穴埋め課題の結果、プロトタイプ用法の対格用法から起点、経路、時用法などの周辺用法に行くにつれ正答率が低くなった。以上から構文ネットワークモデルによる言語分析は失語症者の言語においても有効であることがわかり、ひいては、人間の言語一般の特性を明らかにするものとして、少なくとも助詞が関わる構文レベルでは有効であることが分かった。
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