本研究では,現代フィンランド語の大規模コーパスを用いて形態統語情報データベースを構築し,派生語が含まれる構文の語彙的・構造的多様性を測ると共に,その特徴を抽出・記述する「語彙情報プロファイリング」の手法の開発をおこなった。 構文パターンの特徴を統一的に測る統計的指標を提案することはできなかったが,派生語のもつ生産性とその派生語が含まれる構文の用法・パターンに一定の関係がみられること,派生の生産性を測るためにジャンル比較が有効であることが示された。また,語彙情報プロファイリングの手法を言語教育や他言語の分析に応用する可能性について検討し,専門家を招聘し研究会を開催した。
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