研究課題/領域番号 |
23520474
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
田嶋 圭一 法政大学, 文学部, 教授 (70366821)
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研究分担者 |
北原 真冬 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00343301)
米山 聖子 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (60365856)
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キーワード | 日本語 / 特殊拍 / 英語 / 音節 / 機能的負担量 / 対乳児音声 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究の目的は,話し言葉の韻律構造の要素である音素・モーラ・音節といった単位が,音声産出や知覚にどのような影響を及ぼすのか,またレキシコンにおいてどのように表象されているのかを,異なる韻律的特徴を持つ日本語と英語を主たる対象とした音声産出実験、知覚実験や,各言語のレキシコンの解析を行うなど,多角的な方法を用いて明らかにすることである。計画最終年度は,以下の課題に取り組んだ。 1.日本語の長音や促音などの長短対立が,成人に向けられた発話に比べて乳児に向けられた発話では強調されるのか否かを検証するため,理研母子会話コーパスを用いた分析を行った。また,成人日本語学習者による日本語長短対立の聞き取り能力が学習者の日本語学習歴や習熟度にどの程度影響を受けるのかを検証するため,日本語長短対立の知覚実験を日本語を学習しているアメリカ在住の英語話者を対象に実施した。 2.日本語の個々の音素が語彙対立にどの程度貢献するかの指標である機能的負担量を計算する方法について,従来の方法を以下のように改良した。(1)これまで扱われなかった単語アクセントを考慮し,単語アクセントが同一である単語のみその単語のneighborと見なすこととした,(2)単語認知において単語の始めのほうが終わりより単語候補の絞り込みに重要であることを考慮し,対立が現れる語内位置より左側の音を重視した機能的負担量の計算法を考案した。 3.日本語話者による英単語の音節数の聞き取り能力について,従来の日本人大学生を対象とした知覚実験を拡張し,日本人英語教員を対象に実験を実施し,両群の間にどのような違いがあるのかを調査した。
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