研究課題/領域番号 |
23520475
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
首藤 佐智子 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (90409574)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 語用論 / 前提 / 操作 / ポライトネス / フェイス威嚇 |
研究概要 |
研究代表者は、2010年8月から2011年8月まで米国スタンフォード大学Center for Studies of Language and Information(CSLI, 言語情報研究センター)において客員研究員として滞在し、本年度研究機関の前半は、スタンフォード大学の教授であり、CSLI所長のStanley Petersと共同で前提に関する研究をすすめた。連携研究者の原田康也とは、2011年8月までは電子メールによる連携で、2011年8月からは週1回か2回程度の研究会を開催し、共同で前提操作に関する研究をすすめた。2011年8月から2012年2月までは早稲田大学に客員研究員として滞在した高麗大学校のJae-Woong Choe(崔在雄)もこの研究会に加わり、前提に関する研究を共同ですすめた。2011年12月にはスタンフォード大学のPeters教授(上記参照)を招聘し、前提に関する討議を行った。 研究成果の公表の主なものとして、2011年11月に早稲田大学で開催された電子情報通信学会思考と言語研究会での口頭発表、2011年12月に早稲田大学で開催された「場の言語学」国際ワークショップにおける口頭発表、2012年3月にKyung Hee University(韓国ソウル市)で開催された日韓言語情報ワークショップでの口頭発表がある。電子情報通信学会の発表内容は、同学会発行の電子情報通信学会技術報告(信学技報)に「A Contrastive Study on the Adnominal Constructions in Japanese and Korean -Relative Frequency of ‘-no’ vs. ‘-ui’-」と題した論文として掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進展している部分と遅れている部分がある。研究計画に記載された問題表現(「よろしかったでしょうか」や「じゃないですか」)に関する考察は順調にすすめられているが、前提を操作していることが要因となっているような問題表現を新たに発掘するには至っていない。このため、当初の計画よりもデータが不足することが懸念されるため、調査の対象を伝統的な表現の前提操作に広げて対処している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も前提操作に関する調査・分析を継続する。インターネット上における探索では、前提を操作していることが要因となっているような問題表現が新たに発掘されていない。この要因が、同種の問題表現自体が少なくなったためか、インターネット上で議論されなくなったためかに関しての考察も行う。新たな問題表現が特定できない場合は、パイロット研究で考察の対象とした「よろしかったでしょうか」や「じゃないですか」を対象とした考察を続ける。また、調査の対象を伝統的な表現の前提操作に広げた考察・分析も引き続き行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度も、前年度に引き続き、前提操作に関する調査・分析を行う。8月に海外の協力研究者との討議のため、訪米を予定している。予算が許せば、2013年3月に再度訪米し、海外の研究者と前提に関する討議を続ける予定である。11月および12月に研究発表を行う計画を進めているが、学会発表の査読を通過するかどうかは現時点では不明であり、海外における学会発表が実現された場合は、上記の海外研究者との討議はインターネットにおける電話会議等で代替する予定である。 この他、2011年度に購入する予定であったPCを購入する予定である。また、インターネット上のデータを保存するためのハードディスクを購入する予定である。
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