ユカタン・マヤ語に関する従来の文法のほとんどはスペイン語をモデルとして作成されてきたため、スペイン語とは異なるマヤ語の文法的特性は十分に説明できなかった。マヤ語の教育に携わる者もスペイン語に関する知識しか持っていないことがほとんどであり、現代言語学によってマヤ語の文法的特性が明らかにされても、それが教育の現場に還元されることはほとんどなかった。一方で言語学者も教育用教材の作成に積極的には関わってこなかった。そこで本研究では、ユカタン・マヤ語の復興活動の中でもマヤ語教育における文法教育の改善を目的として、言語学的研究とマヤ語教育の現場との間での一つの橋渡しとしての文法解説書を作成した。
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