ゲルマン語の中で完了形の発達に違いがあるのは、動詞のアスペクトの違いによる。すなわち、英語の動詞は完了相の意味が強いため、be+過去分詞は動作受動をも表し、またそれに連動してhave+過去分詞は間接受動の意味を強く持つ。その結果have+過去分詞は完了形として発達しにくかった。動詞のアスペクトが非完了相に傾いているドイツ語においては一般的な受動態はwerden+過去分詞が表し、sein+過去分詞は状態受動にとどまった。そのためhaben+過去分詞は間接受動としては発達せずに完了形として発達した。
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