ワーキングメモリは様々な認知プロセスで利用されるが、日本語の文理解ではワーキングメモリのモデルによって説明ができない現象もある。ただし、以前の実験結果は文を単独に読ませるものが多くて、曖昧性など問題が関わった可能性もある。以前、英語・中国語で利用されてきたものとは違い、シンプルな文脈によって曖昧性等の問題を避けて、さらにはっきりした日本語の実験結果が得られた。特に、関係説では、目的語関係説(佐藤が愛している女性)より主語関係説(佐藤を愛している女性)のほうが、読みやすいという結果が得られたため、ワーキングメモリでは説明ができないということがはっきりした。
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