研究実績の概要 |
1)格システムと統語変化に関して、上代語、中古語の資料を詳細に分析し、活格システムから対格システムへの変化を検証した。活格言語はオーストラリア原住民語、アメリカ原住民諸語などに多く存在するが、その言語の性質はまだ十分に知られていない。活格類型とはどのような特徴をもつ言語なのかを類型的、理論的視点から詳細に調査した。 2)オックスフォード大学・東洋言語研究科を中心に構築した、上代語文法タグ付きコーパスを使用して、Bjarke Frellesvig, Stephen Horn氏らと、上代語・中古語の語順や格助詞の分布など検証可能な客観的データを収集し、上代語と中古語の格システムの変化について検証し、分析を行った。
オックスフォード大学・東洋言語研究科と共同研究で、継続的に研究会、ワークショップを開催して意見交換をした。Frellesvig氏、Horn氏とは、2014年8月にノルウエー・オスロで開催された第22回国際歴史言語学会 (ICHL), 2014年4月ドイツ コンスタンス大学で開催されたDAMの国際ワークショップ, 2014年8月にスロベニアのリュブリャナ大学で開催された日本研究ヨーロッパ国際学会(EAJS)など通時コーパスを利用したDAMに関する共同発表を行った。また、研究成果はJohn Benjamins出版の『Historical Linguistics, Current Issues in Linguistic Theory』(印刷中)明治書院『日本語学』また、Japanese/Korean Linguistics Vol21などで出版された。
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