研究課題/領域番号 |
23520504
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤村 逸子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (50229035)
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キーワード | 国際研究者交流 フランス / フランス語 / 日本語 / コロケーション / コーパス言語学 / Log-Rスコア |
研究概要 |
フランス語と英語の大規模コーパスから2語連語のリスト(100万個の規模)を作成し、名詞と形容詞からなる連語に統計指標を付与した。実例を観察しつつ様々な統計指標を検討する過程において、2語の結びつきの強さを測るものとして一定の信頼を得て使用されてきたMIスコアの問題を明確にし、それにかわるものとしてLog-Rスコアを提案するに至った。Log-Rスコアと単純頻度に基づいて、連語を正確に特徴付けが可能となった。 フランス語の名詞+形容詞のリストから、コロケーション性の高い連語とコロケーション性の低い連語を選択し、認知言語学的方法論に基づき、アイトラッキングを使って、母語話者24名の視線の移動を計測した。コロケーション性が高いほうがコロケーション性の低い場合よりも、形容詞にとどまる視線の滞留時間は短く、早く処理されることが窺われた。材料の中には、いわゆるイディオムは含まれていないので、コロケーション性の高低に、強い意味論的差異を見出すことはできない。言語の使用者は、わずかな差異を認知しているものと考えられる。 日本語に関しては、国立国語研究所のBCCWJを利用して、形態素解析の付与された単位においてNgramを作成中である。その結果に対して統計的な計算を行う予定であるが、形態素解析が、思うような形でなされていないために方策を考える必要がある。 日本語とフランス語の、味覚に関する形容詞の意味拡張に関して、大規模コーパスを利用して、主として意味拡張に関して分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本語とフランス語とも、形容詞+名詞の連語に関しては順調に進展している。 日本語の複合語に関しては、形態素解析器の使用に関して工夫が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
日本語の形態素解析の精度を上げるための方策を練る必要がある。日本語の複合語化された形容詞に関して研究を進める。ケーススタディとして、人間をあらわす名詞と関連した形容詞、および、味覚をあらわす形容詞の、対照研究を実施し、研究を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内学会および海外の学会において研究発表を行う。論文を投稿するための英文校閲を依頼する。 形態素解析の精度をあげるために、人手を使った解析を行う。
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