研究成果の概要 |
本研究は, ブルゲンラント・クロアチア人, ソルブ人, ルシン人といった, 中欧少数言語集団の言語と社会について考察した。これらの人々は長く異言語に囲まれながら, 独自の言語と民族意識を維持してきた。本研究では, その要因として, 宗教的帰属意識が重要であることを明らかにした。また彼らの言語について調査した結果(1)これらの言語には言語接触による変化が見られるが, その程度は, 接触言語との社会的力関係, 接触の時間的長さとコミュニケーションの強度に相関する, (2)接触の影響による変化は多岐にわたるが, これらはランダムに現れるのではなく, 文法構造に関係すること, を明らかにした。
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