研究課題/領域番号 |
23520509
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高永 茂 広島大学, 文学研究科, 教授 (10216674)
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研究分担者 |
小川 哲次 広島大学, 病院, 教授 (50112206)
木尾 哲朗 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10205437)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 医療コミュニケーション / RIAS / 社会言語学 / 語用論 |
研究概要 |
医療コミュニケーション研究において最も重要なことは、実際の医療場面の映像あるいは音声を入手することである。本研究においては、広島大学病院と九州歯科大学において資料を収集している。平成23年度に収集したデータは、歯科医師による歯科診療の場面である。事例数は10である。性別、年齢、症状などの情報を勘案して、さまざまな事例が含まれるように配慮した。なお、データの収集を行う際には、事前に本研究の趣旨を十分説明し、同意の得られた人についてのみ実施した(説明と同意)。研究代表者・研究分担者ならびに連携研究者、研究協力者は守秘義務を遵守することを確認した。もちろん、倫理委員会の審査を経ていることを申し添える。 上記の画像データを順次、RIAS、社会言語学、語用論の3つの方法を用いて分析している(継続中)。今後、その分析結果を比較する予定である。 さらに、医療コミュニケーション教育研究セミナー(第6回、2011年12月広島市にて)を開催した。本研究の研究代表者並びに協力者と他機関の医療コミュニケーション研究者が研究発表を行い、それぞれの発表内容について検討した。 本研究においては3つの目標を設定しているが、平成23年度にはその中の二つの目標に沿った成果を上げることができたと考えている。一つは、医療分野で標準的分析手法となっているRIAS と言語学分野の方法論とを融合させて医療コミュニケーションの全容を明らかにするためのアプローチ方法を開発するという目標に関する成果、もう一つは、本研究を契機として医療従事者と言語学者との交流を深め、学問領域の垣根を越えた共同研究の場を醸成するという目標に関する成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度において最も重要な目標は、医療面接現場のデータを収集することであった。共同研究者の尽力のおかげで、貴重な画像データを収集することができた。上記以外にも収集済みのデータがあるが、まだ倫理委員会の承認を得ていないので本報告書では公表することができない。平成24年度には何とか利用できるようになる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
同一の画像データを、RIAS、社会言語学、語用論の3つの方法を用いて分析する段階に入る。
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次年度の研究費の使用計画 |
分析結果を比較検討するために、研究者どうしが頻繁に会合(検討会)を持つ必要がある。平成23年度にはまだ分析が十分には進んでいなかったため、検討会もほとんど開くことがなかった。 平成24年度には、データの収集を継続するとともに、データの分析を本格的に行い、比較検討の機会を増やす予定です。前年度から繰り越した予算は、とくに研究者どうしが移動するための交通費にあてたい。
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