研究課題/領域番号 |
23520509
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高永 茂 広島大学, 文学研究科, 教授 (10216674)
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研究分担者 |
小川 哲次 広島大学, 大学病院, 教授 (50112206)
木尾 哲朗 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10205437)
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キーワード | 配慮表現 / 医療コミュニケーション / 医学教育 / 分析法 / 教授法 |
研究概要 |
平成23年度~平成25年度の3年間に二つの成果を上げることができたと考えている。一つは、医療分野で標準的分析手法となっているRIAS と言語学分野の方法論とを融合させて、医療コミュニケーションの全容を明らかにするためのアプローチ方法を開発するという目標、もう一つは、本研究を契機として医療従事者と言語学者との交流を深め、学問領域の垣根を越えた共同研究の場を醸成するという目標である。 平成25年度には質的研究法と量的研究法に関して多方面から検討し、その本質的な違いに迫ることができた。RIASは基本的に量的研究法に寄って立つ分析手法である。もう一方の言語学分野の分析手法は、質的な研究を基本にすることが多い。この両者を融合させるために、マルチモーダルな研究手法を模索にしたのが平成25年度の成果である。 さらに医療コミュニケーション教育研究セミナー(広島市、2013年12月)を開催した。本研究の研究代表者・研究分担者と他機関の医療コミュニケーション研究者が研究発表を行い、それぞれの発表内容について検討した。また、研究成果を教育の現場に還元する取り組みも行っている。医療コミュニケーションの教授方法を活用したプロフェッショナリズム教育を導入することにより、社会の求める歯科医療人を育成するための教育も続けている。 このような成果が上がった一方で、RIAS のコーディング方法を改良するという目標は十分には達成できなかった。RIASのコーディングに関する諸規則が国際的な取り決めになっている点が各国の文化的事情を反映しにくい一因になっている。 なお、データの収集を行う際には、事前に本研究の趣旨を十分説明し(説明と同意)、同意の得られた者についてのみ実施した。研究代表者・研究分担者ならびに連携研究者、研究協力者は守秘義務を遵守することを確認した。倫理委員会の審査を経ていることも申し添える。
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