研究課題/領域番号 |
23520519
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
木口 寛久 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40367454)
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研究分担者 |
高橋 将一 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70547835)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 オーストラリア |
研究概要 |
平成23年度は、具体的な研究課題であるpseudo-clefts とそれに関する再構築現象の理論的分析を本研究の基礎調査として行い、平成24年度以降の研究の基盤を構築した。 本年度度は(1)具体的な研究課題の一つであるinverted specificational pseudo-cleftsの統語論的分析の精緻化をはかる、(2)その構文内での否定極性要素の認可と再構築の相関に理論的説明を与える、という二点の基礎調査を行ってきた。そして、そこでの理論から平成24年度以降の研究の基盤を構築する。再構築現象は否定極性要素の認可には適用できないことが知られているが、海外共同研究者Thorntonの観察によると英語のinverted specificational pseudo-cleftsの構文中では、否定の作用域内でしか現れないはずの等位接続のorが否定の作用域外でも存在できる。これは再構築現象が可能な構文ならすべての要素が等しく再構築されるわけではないことを示唆している。平成23年度は、これまでに研究代表者が提案したinverted specificational pseudo-cleftsの構造分析理論を研究分担者とともに更に精緻かつ強固なものに改訂すべく理論的考察を重ねるのと並行して、特に研究分担者の研究成果において前述のパラダイムを説明する統語論・意味論のインターフェイスの構築が進行している。そして、本プロジェクト実証研究の結果を当初の計画通り、ギリシャでの国際学会Generative Approach to Language Acquisition 2011にて、本年度の成果報告として発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
具体的な研究計画として掲げた(1)具体的な研究課題の一つであるinverted specificational pseudo-cleftsの統語論的分析の精緻化をはかる、(2)その構文内での否定極性要素の認可と再構築の相関に理論的説明を与える、という二点の基礎調査が着実に進んでおり、本研究プロジェクトの研究の成果を当初の予定通り国際学会で発表することができた。特に研究分担者の研究成果において再構築現象に関わる統語論・意味論のインターフェイスの構築が進行している。 また、平成24年度にむけて再構築現象に関連した実験パラダイムの設定もおおむね順調に進展しており、研究代表者、研究分担者そして海外共同研究者を交えた実証実験についての打ち合わせも行われる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、平成23年度の国際学会研究発表を、さらに研究を精選し、論文としてまとめ、投稿する。それと並行して、再構築現象に関連した実験パラダイムの設定を定め、本格的実証的研究を海外共同研究者の英語を母国語とする幼児を対象にとした実験の形で実施する。cleft構文の再構築現象についての実証実験パラダイムの検討を進める。そのための研究代表者、研究分担者そして海外共同研究者を交えた実証実験についての打ち合わせも平成24年度は行なう予定である。そして、研究の成果を内外の学会にて平成24年度の成果報告として行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は国内外学会に参加し、最新の研究動向を調査する研究旅費、あるいは研究結果を発表するための学会参加費として研究費を使用する。加えて、平成23年度に実行に移すことができなかった、研究代表者、研究分担者そして海外共同研究者を交えた実証実験についての打ち合わせも平成24年度は行われる予定であるので、研究打ち合わせの旅費(オーストラリア・シドニーのマクワリー大学)として研究費を使用する計画である。並びに、書籍、論文、論文集などの文献収集費用にも研究費を使用する。
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