研究課題/領域番号 |
23520524
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
米山 聖子 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (60365856)
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研究分担者 |
北原 真冬 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00343301)
田嶋 圭一 法政大学, 文学部, 教授 (70366821)
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キーワード | 国際研究者交流 / レキシコン / 音声知覚 / 音声産出 / 語彙表示 / 第二言語 / 音韻論 / シュミレーション |
研究概要 |
本研究は3つの課題について取り組んでいる。それぞれの課題ごとの研究実績の概要は以下の通りである。 課題1:母語と外国語のレキシコンの特性と産出・知覚(米山,Munson):3つのプロジェクトを進めている。一つ目は平成23年度に検討した実験手法を用いて,日本語話者の音声語彙認識過程を探るための日本語話者を対象とした知覚実験と統制群として英語話者について同一実験をミネソタ大学で実施した。二つ目は日本語と英語を獲得している子供たちの音声をどのように大人が知覚するかについての検討を行った。分析の一部は第164回アメリカ音響学会で発表した。最後に、レキシコンの特性である単語親密度が英語の子音の認識にどのような影響を与えているかについての検討も行った。研究の成果の一部は研究協力者である中村祐輔氏が大東文化大学大学院外国語学研究科英語学専攻修士号学位取得論文としてまとめられた。 課題2:レキシコンの特性と音韻論的な検討(北原,米山):有声子音と無声子音の前に生起する母音の長さの言語普遍性と個別性について、日本語の2つのデータベース(NTT 乳幼児音声データベース; 日本語話し言葉コーパス)の分析と日本人大学生の英単語の発話実験を通して検討を行った。分析結果の一部はNINJAL International Conference on Phonetics and Phonology 2013で発表を行った。 課題3:レキシコンにおける語彙表示について(田嶋,米山):英語では、"family"のように弱母音が脱落し音節数が変化して発音されることが、会話などでは多くみられる。このように、英語語彙において母音弱化による音節数の変化が会話音声でどの程度起きて、どのような要因に左右されるかをBuckeye Corpusを用いて分析を行った。分析結果の一部は第164回アメリカ音響学会で報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの課題に関して、①平成24年度に予定していた項目を達成しているため、②2つの国際学会(第164回アメリカ音響学会2件、NINJAL International Conference on Phonetics and Phonology 20131件)と研究協力者の中村祐輔氏の修士号取得論文として成果報告ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画3年目は以下の課題に取り組むと同時に、国内の学会や海外の学会・国際会議などにて発表し、学術誌に投稿する予定である。 課題1:母語と外国語のレキシコンの特性と産出・知覚(米山,Munson):平成24年度に実施した日本語話者の音声語彙認識過程を探るための日本語話者と英語話者を対象とした知覚実験について分析を進め、学術雑誌への投稿を目指す。また、これまで行ってきたレキシコンの特性である単語親密度が英語の子音の認識にどのような影響を与えているかについての研究成果を平成25年度は国際学会(Interspeech2013)で発表を行うと共に、学術雑誌への投稿を目指す。 課題2:レキシコンの特性と音韻論的な検討(北原,米山):平成24年度は有声子音と無声子音の前に生起する母音の長さの言語普遍性と個別性について、日本語の2つのデータベース(NTT 乳幼児音声データベース; 日本語話し言葉コーパス)の分析と日本人大学生の英単語の発話実験を通して検討を行った。平成25年度はこの研究を国際学会(Interspeech2013)で発表を行うと共に、学術雑誌への投稿を目指す。 課題3:レキシコンにおける語彙表示について(田嶋,米山):英語語彙のレキシコンの語彙表示において,モーラや音節といった日本語・英語を特徴付ける韻律単位が相対的にどの程度反映され,英語力がどのように関連しているのかについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・ソフト:本研究を遂行のため3機関で共通環境を整える。通常の文章作成・表計算・プレゼン用ソフト(Microsoft Officeなど)に加え,音声合成プログラムのStraightの利用に必要なプログラミングソフト(MatLabなど)や実験制御ソフト(E-primeなど)で,平成24年度に購入していないものを順次購入する。 ・実験関連機器:実験遂行のために必要な関連機器についても3機関で共通環境を整える。録音機器1台,マイク1本,ヘッドフォン1個,ボタンボックス1台を購入予定であるが,平成24年度に購入していないものを順次購入する。 ・実験参加者謝金:種々の実験において被験者の協力を得ることは,本研究の遂行において不可欠である。研究代表者・研究分担者それぞれの機関において、追実験を行う予定である。 ・研究補助:円滑な研究遂行のために,研究代表者・分担者・協力者の補助者として大学生・大学院生を複数名雇用する。 ・旅費:成果発表の為の国内・海外旅費である。最終年度である平成25年度は、国内・海外の学会にて成果発表を行う予定である。
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