法廷通訳人の語彙選択による影響を明らかにするため、80名の市民を模擬裁判員とする法廷実験を行った。その結果から、通訳人が選択する語彙の違いにより、犯罪を連想させる訳語を使った場合は有罪に傾き、罪の重大さ・証人の信頼性・証言の信憑性などにおいても統計的に有意な影響が及ぶことが確認された。 判断のきっかけとなった語彙に関する追加実験を行った。その結果、無標表現の一般動詞が名詞化され有標となった場合は聞き手の記憶に残りやすく、より有罪性を感じる等の傾向がつかめた。 司法関係者へ法廷通訳の言語使用に関する認識を高めてもらうために、成果報告会を兼ね、法廷通訳制度の専門家を招聘して国際会議を開催した。
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