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2013 年度 実績報告書

日本手話と日本語対応手話の混合言語(中間型手話)の言語的特徴の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23520530
研究機関豊田工業大学

研究代表者

原 大介  豊田工業大学, 工学部, 教授 (00329822)

キーワード日本手話 / 日本語対応手話 / 中間型手話 / 媒介手話
研究概要

聴者の使用する媒介手話の分類辞の使用方法と文末の指さしの使用方法に焦点を当て調査・研究を行った。分類辞では、媒介手話を使用する聴者、日本手話話者、および対照群として手話を知らない聴者(日本語話者)に、「金槌」、「ほうき」等の物品が写った写真を見せ、それらを手話(またはジェスチャ)で表出してもらい、その際、道具分類辞(対象となる物品を手型で摸して表現する方法)を使うか、取り扱い分類辞(対象物品使用の際の典型的な取り扱い方を手型で摸して表現する方法)を使うのか、各々の使用割合を調べた。その結果、どちらの分類辞がどの程度の割合で使用されるかという観点から、上記3群は異なった母集団に属していることが統計上有意であると示された。また、同じ聴者であっても媒介手話者と手話を知らない聴者では、両分類辞の使用頻度が異なり、媒介手話が日本語/日本語対応手話の特徴を合わせ持っているわけではないことも分かった。すなわち、媒介手話の分類辞使用方法は、日本手話と日本語/日本語対応手話の方法の「中間」ではなく、両手話とは独立した存在であることが示された。
文末における指さしは、日本手話と媒介手話ではその使用法が異なることが経験上分かっているので、両手話で文末の指さしがどのように使用されるかを調査した。日本手話の文末の指さしは文の主語を指示するということが従来からの定説であるが、本研究により、主語だけではなく主題化された他の要素(目的語や付加詞)も指示可能であることが分かった。一方、媒介手話の文末の指さしは、収集したデータ中、比較対照に足る数が出現しておらず、日本手話との違いを充分に明らかにすることはできなかった。しかし、媒介手話で使用されていた文末の指さしは、ほぼ100%主語を指示するものであった。これは両言語の文末の指さしが異なった規則に基づいている可能性を示唆するものであり、さらなる調査が求められる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] いわゆる「中間型手話」の中間性の検証 ~中間型手話使用者の用いるCL手型から見えてくるもの~2013

    • 著者名/発表者名
      原大介 黒坂美智代
    • 学会等名
      日本手話学会第39回大会
    • 発表場所
      鈴鹿医療科学大学
    • 年月日
      20131026-20131027
  • [学会発表] 日本手話の文末の指さしが指し示すものは何か2013

    • 著者名/発表者名
      原大介 黒坂美智代
    • 学会等名
      日本手話学会第39回大会
    • 発表場所
      鈴鹿医療科学大学
    • 年月日
      20131026-20131027

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公開日: 2015-05-28  

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